guice/Wicket/Injection

インジェクションの方法

wicket-guiceエクステンション

一般的にはwicket-guiceエクステンションのGuiceComponentInjectorを使うことになっているが、これは非常に問題が多い。まず、「オープンソース徹底活用 WicketによるWebアプリケーション開発」の380ページの例はおそらく間違い(ただし、この本は買って損の無い本です。とても助かってます)。

public class GuiceTestPage extends WebPage {
  @Inject
  Service service;
  public GuiceTestPage() {
    String message = service.doSomething();
    add(new Label("messageLabel", message));
  }
}

とあるが、

したがって、二重の意味で上記の例は間違っている。

つまり、GuiceComponentInjectorを使用しようが、元々のGuiceのInjectorを使用しようが、例えば「コンストラクタ内でデータベースを参照し、その内容によってラベル内のメッセージを変更する」(データベース参照をInjectするのであれば)と言ったことはできない。

上記のようなフィールドインジェクションの有効な利用方法としては、以下のようなケースである。

public class GuiceTestPage extends WebPage {
  @Inject
  Service service;
  public GuiceTestPage() {
    add(new Form<Void>("form") {
      @Override protected void onSubmit() {
        service.doSomething();
      }
    });
  }
}

この場合はレンダリング時にServiceが利用されることはない。フォームがサブミットされて初めてdoSomethingが呼び出される。

解決法

この問題の解決はいくつかあると思われる。一つは、グローバルな領域にInjectorを保持しておき、それを参照することである。

public class InjectorHolder {
  public static Injector injector;
}
...
public class GuiceTestPage extends WebPage {
  public GuiceTestPage() {
    Service service = 
      InjectorHolder.injector.getInstance(Service.class);
    String message = service.doSomething();
    add(new Label("messageLabel", message));
  }
}

もう一つは、あらかじめSessionにInjectorを格納しておき、ページコンストラクタでそれを取り出す方法がある。Injectorのインスタンスは特にSessionごとに変更されるわけではないので、これは冗長であろう(コンポーネントからはApplicationにもアクセスできるので、Applicationに保持しておくのもいいかもしれない)。

public class GuiceTestPage extends WebPage {
  public GuiceTestPage() {
    MySession session = (MySession)getSession();
    Injector injector = session.getInjector();
    Service service = injector.getInstance(Service.class);
    String message = service.doSomething();
    add(new Label("messageLabel", message));
  }
}

さらに一つは、コンストラクタ自体を正常な形にしてGuiceにGuiceTestPageのインスタンスを作成させることである。

public class GuiceTestPage extends WebPage {
  @Inject
  public GuiceTestPage(Service service) {
    String message = service.doSomething();
    add(new Label("messageLabel", message));
  }
}

以下ではこの解決法をさぐってみる。

ページインスタンスをGuiceに作成させる方法(不可)

Wicketの内部をさぐってみると、setResponsePage()にページクラスが渡された場合、そのページのインスタンスを作成するのは、IPageFactoryというオブジェクトであることがわかる。 これをApplicationのinit()時に独自のものに置き換える方法が一つ考えられる。MyPageFactoryにてGuiceのInjectorを使い、ページインスタンスを生成するのである。

  protected void init() {
    getSessionSettings().setPageFactory(new MyPageFactory());
  }
   ...
   public class MyPageFactory implements IPageFactory {
   }

しかしこれではうまくいかない。なぜなら、

結論

WicketにてGuiceを使う場合、GuiceComponentInjectorでは全く力不足である。かと言って他の方法でも満足のいく注入は難しい。それより、DIを捨ててInjectorをサービスロケータとして用いることである。Injectorインスタンスはアプリの実行中変更されることの無いただ一つのインスタンスなのであるから、これをシングルトンとして参照すればよい。ただし、以下のようにInjectorをラップした方がよいだろう。

public class ServiceLocator {
  private static Injector injector;
  public static void setInjector(Injector injector) {
    ServiceLocator.injector = injector;
  }
  public static <T> T getInstance(Class<T>type) {
    return injector.getInstance(type);
  }
}

現在のところ、この解決方法しか思いつかない。

追加

DIでなくサービスロケータを使う理由は他にもある。 Wicketでは、ページ及びその中のコンポーネントはすべて直列化されるため、DIを使って注入されたオブジェクトもその際にすべて直列化される(されなければならない)のである。したがって、

もちろん、これらの「注入されるオブジェクト」の中の一部のフィールドをtransientにするなどし、必要な場合は再度DBに接続する仕組みを提供すれば問題無いが、Wicketで無理やりDIを使いたいがために面倒な話になりかねないと思われる。

もともとDIに対応していない既存のフレームワークを利用しようとする場合、DIをそこに組み込むのは困難で面倒なことになりかねない。このような場合にもサービスロケータは有効である。Injectorをサービスロケータとして使うも参照のこと。

参考

WicketとSpringの連携法の文書を翻訳してくださってる方がいます。

ただ、Springの場合でもオプション1がベストかと思われるのですが。。。

last edited 2009-12-24 02:43:38 by ysugimura